のじ脳神経外科・しびれクリニック

のじ脳神経外科・しびれクリニック

脳神経外科

Neurosurgery

脳神経外科Neurosurgery

脳梗塞

脳の血管が何らかの原因で狭窄(狭くなる)、閉塞(つまる)になるとその先にある脳細胞に血液が充分に行き渡らなくなります。脳細胞は血液に溶けている酸素と糖分で生きているのでこれが足りなくなると脳細胞は死んでしまいます。これが脳梗塞です。死んでしまった脳が手足の動きに重要な場所であれば手足の麻痺になりますし、言語に重要な場所であれば言語障害が出るのです。
しかし脳細胞は血液が途絶えてすぐに死に至るわけではなく、一定の脳虚血(血が足りない状態)を経て死に至ります。一般的に発症から3~6時間を経過して死に至ると言われており、それより前に早期診断をして治療に進めば脳細胞を助けることができる可能性があります。よっていかに早く病院に運ぶかが重要となります。

脳神経外科

  • 手足の脱力(麻痺):箸を落とす、足がもつれるなど
  • 半身(手足)がしびれる
  • 言葉が出てこない、つじつまの合わないことを言う
  • ものが二重に見える
  • 口がもつれる(酔っぱらいのような話し方になる)
  • めまいがしてふらつく

このような症状はほんの一時的なものですぐ消失することもあります。これを一過性脳虚血発作といい今後本格的な脳梗塞になる危険信号と言われています。すぐよくなった場合でも必ず病院にかかりましょう。

脳出血

脳の中の細い血管(動脈)が切れて、大脳・小脳・脳幹(のうかん)の脳の実質内に出血してしまう病気です。脳出血が起こると、血腫により周りの脳が圧迫されて、「意識障害」、「運動麻痺」、「感覚障害」、などの症状が発症し、脳の機能が低下します。高血圧を持っている方に起こりやすいと言われています。ですから血圧の管理を徹底することが大切です。

くも膜下出血

脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜で覆われておりくも膜と軟膜のすき間はくも膜下腔と呼ばれています。このくも膜下腔に出血を起こした状態がくも膜下出血です。
原因としては脳動脈の一部がふくらんでできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)の破裂によるものが大部分です。男性より女性に多く40歳以降に多くみられ、年齢とともに増加します。家系内に動脈瘤やくも膜下出血の方がいるときは発生頻度が高く、また高血圧、喫煙、過度の飲酒は動脈瘤破裂の可能性を数倍高くするという報告もあります。
その他、血管奇形や外傷などもくも膜下出血の原因となりえます。死亡率が高く、手術により救命できても後遺症を残す場合もあり大変恐ろしい病気です。

  • 「頭を殴られたような」突然の激しい頭痛
  • 意識が朦朧(もうろう)とする、意識を失う
  • 嘔吐、血圧上昇
  • 麻痺はないことが多いが、手足が麻痺したり物が二重に見えることもある

発症前に、突然の頭痛を何回か経験する方もいらっしゃいます。これは動脈瘤からの微小出血によるといわれており前ぶれ頭痛とも呼ばれます。出血量が少ないと軽い頭痛のみで上記のような典型的な症状がなく“風邪”と思い込んで様子をみてしまう方も中にはいらっしゃいます。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋骨の内部に発生する腫瘍で大脳・小脳などの脳実質のほか脳をおおう膜(髄膜)、脳から出る神経、下垂体・松果体といった内分泌器官などから発生するすべてをいいます。
脳腫瘍は年々増加傾向にあり、一般的に脳実質内に発生した腫瘍は悪性で、脳内に浸潤性発育をしていきますが、髄膜や下垂体など脳実質外に発生した腫瘍は良性で圧排性発育をしていきます

脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じるため、ある程度の大きさになると頭蓋骨の内側の圧力が増加することによって、腫瘍の種類に関係なく共通した症状があらわれます。頭が痛い(頭痛)、吐く(嘔吐)、目がかすむ(視力障害)が代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。特に早朝頭痛と言われるような朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合などは、頭蓋内圧亢進が疑われます。
けいれん発作も脳腫瘍の初発症状として重要です。腫瘍がまわりの神経細胞を刺激することによって生じます。大人になってから初めてけいれん発作が生じたら、脳腫瘍を疑う必要があります。 頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作といった一般的な症状に加えて、脳腫瘍の発生した部位の働きが障害されて、麻痺や言葉の障害、性格変化などさまざまな症状が出現してきますが、これらは局所症状と呼ばれます。また、下垂体に腫瘍が発生すると、ホルモンの過剰分泌症状(無月経・顔貌や体型の変化など)も出現します。
繰り返しになりますが、朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合、大人になってから初めてけいれん発作が生じた場合などは、ことに脳腫瘍が疑われますので専門施設の受診をお薦めします。

頭部外傷

頭に衝撃が加わった際、脳挫傷や急性硬膜下血腫など、しばらくしてから意識障害に至るものがあります。中には、1ヶ月くらい経ってから症状を来すものもあります(慢性硬膜下血腫)。迅速な対応を要するものもあり、迷ったらご相談ください。また、頭や顔以外でも傷の処置は丁寧に行います。

急性硬膜下血腫

硬膜は頭蓋骨のすぐ内側にあり、頭蓋内で脳を覆っている結合識性の強い膜です。この硬膜の内側で脳の表面に出血が起こると、出血した血液が硬膜の直下で脳と硬膜の間に溜り、短時間のうちにゼリー状にかたまって、脳を圧迫します。これが急性硬膜下血腫です(図1)ほとんどが大脳の表面に発生しますが、ごく稀には左右の大脳半球の間や小脳表面(後頭蓋窩)に発生することもあります。急性硬膜下血腫は予後不良を示唆する所見として重要です。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後慢性期(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。慢性硬膜血腫は通常、高齢で男性に多く見られます。一般的は軽微な頭部外傷後の慢性期(3週間以降)に頭痛、片麻痺(歩行障害)、精神症状(認知症)などで発症します。年間発生額度は人口10万人に対して1~2人とされています。原因は一般に頭部外傷で脳と硬膜を繋ぐ橋静脈の破綻などにより硬膜下に脳表の髄液などと混ざった血性貯留液が徐々に被膜を形成しつつ血腫として成長するとされています。血腫を覆う膜(被膜)は厚い外膜と薄い内膜から構成されています。好発部位は前頭,側頭,頭頂部で、右か左かの一側性のことが多いのですが,時には両側性にも見られます。

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