私は、脳神経外科のスポーツドクターとして長年ボクシング、柔道、ラグビーなどのいわゆるコンタクトスポーツの医療部門に関わってきました。
コンタクトスポーツでは脳が揺さぶられることによるいわゆる「脳振盪」や、致命率の高い「急性硬膜下血腫」、頚椎が過屈曲することによる「頚椎損傷」「頚髄損傷」のリスクがあり、不幸な結果に至る選手が後を絶ちません。
また急性期の脳・脊髄損傷以外にも蓄積された軽微な慢性の脳損傷によって「慢性外傷性脳症」の状態になり、うつ状態や高次脳機能障害の症状を呈することもわかってきました。このような病態を一般的な脳神経外科医が理解しているかというと残念ながらそうでないのが現状です。
そのため、最近注目されているスポーツに起因する頭部外傷、特に脳振盪に関して専門外来を設置し、脳振盪を始めとする頭部外傷の診断・治療だけでなく、脳振盪からの競技復帰に関する計画立案や指導、予防のためのメディカルチェックなどを行ない、安全に競技を行うための治療やアドバイスを行なっております。
スポーツ頭頚部外傷外来
Out patient clinic for head and neck trauma of sports